定電流ダイオード CRD:Current Regulative Diode は、決まった電流を流すダイオードです。
普通は、LEDを点灯させるのに利用します。
似た半導体に、
定電流レギュレター CCR:Constant Current Regulator がありますが、別物です。

使い方は、下図のように繋ぎます。

部品の定数計算をします。
定電流ダイオードはそれぞれ仕様が違うので、データーシートを見て、仕様を確認します。
今回は、15mAの定電流ダイオード、E−153を使い、青色LEDを点灯させます。
データシートには、色々なデータが書いてありますが、見るポイントは次の4つです。
定格電力 300mW
最高使用電圧 25V
ピンチオフ電流 15mA(12mA〜18mA)
ピンチオフ電流が流れる電圧 10V |
ちなみにデータシートに記載されている、
静特性は、直流をつないだ時のデータです(時間要素がない)。
動特性は、パルス電流(過渡電流)をつないだ時のデータです(時間要素がある)。
今回は電池に繋ぐので、静特性のグラフを見ます。
グラフからも、10V以上かけると、15mA流れる事が分かります。
回路図に、分かっている部品定数を書き入れます。
青色LEDの順方向方向電圧は3V。
定電流ダイオードのピンチオフ電流が流れる電圧は10V。
すると、電池は13V必要です。
13Vの電池は無いので、9Vと4.5Vの電池ボックスを使い、13.5Vにします。
定電流ダイオードには、10V以上の10.5Vかける設計にします(最高使用電圧25Vを超えていないので問題ありません)。
回路図は、このようになります。
定電流ダイオードが、熱くなって壊れないかどうか、調べます。
電力=電圧×電流=10.5V×15mA=157.5mW
定格電力300mW以下なので、使えます。
でも触ると、少し温かいです。
ブレッドボードに再現すると、このようになります(定電流ダイオードは、帯がある方がマイナスです)。

電流を測定すると、15mAになっていません。
これは、定電流ダイオードには、流す電流に誤差があるためです。
また、定電流ダイオードは熱くなると、電流値が低くなる特性があるからです。
これを避けるために、補償抵抗を入れることもあります。
補償抵抗の値は、データーシートに記載されています。
実際に、補償抵抗を入れるとやや改善されますが、15mAぴったりにはなりません。
定電流ダイオードは使い方が簡単と、本やネットで記載されています。
実際は、「電子工作塾」や「電子工作通信講座(初級編)」で学ぶ基礎知識(今回やった事がすらすら出来るようになります)が無いと、使いこなすのは難しいと思います。
それから、決まった電流が流せると言っても、最大電力の制約で、2Aとか3Aの電流は流せません。
そのため、定電流ダイオード単体で、電源回路には使わないで下さいね。
(2020年6月10日(水)作成)
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