◆プラズマボールのしくみ


 
葉原で、プラズマボールを買ってきました。

ガラスの球体に、幻想的な光がうねうね放電している、あの球体です。


 ←980円と、随分安く売っていました。




早速、スイッチを入れ、手を触れてみると、光が集まってきます。

しばらく触っていると、手が暖かくなってきます。(怖いのですぐに離します。)



それから、お決まりの蛍光灯を近づけると、ボワー!っと光ります。


当店で扱っている、キット「ネオン管 弛張(しちょう)型発振回路」のネオン管も近づけてみます。

ピカッー!と光ります。

線もつないでいないのに光るなんて、感動です!



こからが本番。

プラズマボールをばらしてみます。


ばらしてびっくりです。

すごく簡単なパーツで出来ています。

ブロッキング発振の昇圧回路で電圧を上げ、赤いプラス電極をスチールウールのようなものに接触させ、

放電させています。

当店のミニランタンと、同じ回路だったとは思いませんでした(電圧は違いますが)。

電圧は、恐ろしく高そうなので、機器を壊すのは嫌なので、測定しませんでした。



電圧のプラス電極は、電球のようにフィラメントみたいなものがあると思っていましたが、

実際は、ガラス球は、ガラスで完全に密封されていました。

ガラス球の外側に、黒く塗られた物質(不明)とスチールウールのようなものに、

高電圧の交流を触れさせていました。

どうやら、ガラスがもっている、誘電体の性質を利用しているようです。

誘電体とは、電荷を蓄える能力がある物質で、通常は絶縁体(直流の場合)です。

ガラス、コンデンサ、プラスティック、セラミック、油、純水などが、誘電体です。

この誘電体であるガラスに、直流でなく交流をかけると、電流を通します

電子工作ででてくる、カップリングコンデンサとしての働きですね。

以上から、ガラス球の内部にフィラメントのような電極はないようです。


しかし分からないのは、プラスの電極になるものはありますが、マイナスの電極にあたるものが、

みあたりません。

ガラスの外側がマイナスのようですが、ガラスが接触しているのは、プラスチックの筐体で、

基板のグラウンドには接続していません。

うーん、結局分かりませんでした。


光灯やネオン管が光るのは、ガラスから微小な電流がもれていると思っていたのですが、

どうやら違うようです。



もしも回路が形成されて光るのなら、とても高い電圧がかかるはずです。

プラズマボールの電圧と電流を測定すると、交流20V、電流は流れていませんでした。

この条件で蛍光灯やネオン管が光るのは考えにくいです。

プラズマボールの周りの周波数を測定すると、高周波が発生しているようで、20kHzもあります。
(説明書に、ペースメーカーの人は注意して下さいとありますが、この高周波のためでしょうか)。

この高周波が電界を作り、蛍光灯やネオン管の電子を加速させ、光らせているようです。

送電線の下で、蛍光灯がともるのと、同じ現象が起きているのではないでしょうか。



を触れると、プラズマボールの光が近づいてくる理由を考えてみます。



手を触れていない時、球体のようにグラウンドが何処だが分からない時は、

プラズマは中心の高電圧から放電しやすい空間へ放電していき、

最終的にガラスのグラウンドへ放電が終わります。

(長時間眺めていると、同じ箇所に放電しています。)

しかし手を触れると、グラウンドがはっきりするため、手に向かってプラズマが集まるようです。

球体に手で振れた場合、電流測定しても、電流は測定できないので、

電流は流れていないと思うのですが、手が暖かくなるのはどうしてでしょうか?

また、よその方のホームページを見ると、微量の電流が流れると記載されています。

プラズマボールは、奥が深そうです。




平成24年6月16日 ( 2011年の同月同日 皆既月食が観測されました。 )


 

 
 

 
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