2004年、 近藤科学株式会社からサーボモーターを使った、2足歩行ロボット(KHR−1)が発売されました。
発売当時、サーボモーターをいくつも使ってロボットにしたアイディアに、感動した記憶があります。
2004年当時は趣味でロボットを購入しようとすると、30万円以上はしたと記憶しています。
近藤科学のKHR−1は、12万円くらいでしたが、それでも高く、手がでませんでした。
それが2021年現在、制御回路やサーボモータは付属していませんが、アマゾンで3921円(税込、送料込)で売っています。
安い時代になったものです。
早速購入し、色々な部品をつけ、作ったのが下の写真です。
↑10年以上前では夢だった2足歩行ロボットが、自分で設計出来る時代になりました!
動 きは動画を見たほうが早いので、動画にしてみました。
■決めポーズ
ガンダムのズゴックをイメージしてみました。
■お迎え
当店の電子工作塾に来た生徒さんに、奥へ誘導するポーズをさせてみました。
■2足歩行
足の関節が2自由度のため、歩かせるのが大変です。
教科書どおり、片足5枚のパラパラ漫画で動かしています。
重心が高く、後ろ側にあるので、不安定ながらも歩いています。
■ダンス歩行
大きく腕を振らせ、ダンスをさせながら歩行させました。
教科書で教える2足歩行よりも、かなり安定して歩行しています。
VIDEO
構 造材は、アマゾンで購入した構造材です。
D DOLITY 8自由度 二足歩行ロボット DIY組み立て ヒューマノイド ダンスロボット ¥3931(税込、送料込)
ブラケットやネジだけのセットのため、サーボモーターや制御回路、プログラムなどは、自分で用意する必要があります。
そこで、以前購入したロボットアームの部品を流用することにしました。
DiyStudio 6自由度ロボットアームDIYキットアルミメカニカルアームジョーArduinor MG995サーボドライブバルク ¥7599(税込、送料込)
今回作るロボットは、サーボモーターを8個使う、8自由度です。
ロボットアームは6自由度のため、サーボモーターが2個足りません。
そこで家にあったものを使いました。
そのため、下の写真のように、左肩だけ違うサーボモータになっています。
組立ては、プラモデル感覚で組み立てられ、4時間くらいかかりました。
組み立てる際に、サーボモーターの回転をチェックするため、当店のキット(手動サーボモータ DEN-L-089) を使用しました。
また、サーボホーンの穴あけ、サーボモーターを固定するためのワッシャーなど、細々した作業が必要でした。
↑構造材は規格化されているので、プラモデルと同じ感覚で作れました。
左肩は別のサーボモーターです。
サーボホーンをブラケットに合わせるため、加工しています。
後ろ向きです。
制 御回路は、Arduino UNO Rev3 (以下Arduino)を使います。
もったいないですが、ロボット工作は、プログラムを何回も書き込むため、Arduinoブートローダーを使わずに、Arduinoのまま使います。
ArduinoのPWM機能を利用して、サーボモーターを動かそうと思ったのですが、残念ながらArduinoには、〜のマークがついているPWM端子は、6個しかありません。
今回の2足歩行ロボットは、8自由度のため、2個PWM端子が足りません。
そこで、8個のサーボモーターを制御するため、サーボモーターモジュールを使い、制御することにしました。
使ったのはこれです(秋月でも同じタイプの物 I2C接続16チャンネル サーボ&PWM駆動キット が売っていますね)。
VKLSVAN 2個 PCA9685 16チャンネル 12-ビット PWM Servo モーター ドライバー IIC モジュール Arduinoと互換 (2個¥999 税込 送料込)
このモジュールは、I2C通信を使い、サーボモーターを制御します。
I2C通信なので、プログラムが大変ですが、このモジュール用に、ライブラリーがあるので、ライブラリーを使えば簡単です。
今回は、ロボットのモーションプログラムを作る作業が、かなりかかると予想されるので、出来るだけ簡単にプログラムをしたいため、ライブラリーを使いました。
↑電子回路は、電源回路、Arduino、サーボモーターモジュールの3点です。
電源は、Arduino、サーボモータ8個、サーボモーターモジュールに必要です。
特に、サーボモータ8個は電気を沢山つかいます。
今回は家に余っていた、6V 600mA のニッカドバッテリーを使います(時代はニッケル水素充電池 です)。
Arduinoとサーボモーターモジュールは、9Vのアルカリ乾電池から5Vを作り、使います。
サーボモータ用の、ニッカドバッテリー(6V 600mA)です。
Arduinoとサーボモーターモジュール用のアルカリ乾電池9Vです。
5Vに下げて使います。
ロ ボット制作では、制御回路とバッテリーの置く場所に悩まされます。
特にバッテリーは重いため、必然的にロボットの重心となります。
今回はロボットにランドセルを取り付け、その中に入れています。
そのため、重心が後ろになり、2足歩行が難しくなっていますね。
↑ランドセルの中に、バッテリーを入れています。
モ ーションのプログラムは、時間がかかります。
ニッカドバッテリーでプログラムしていたのでは、数分で使い切ってしまうので、プログラムする時は、ACアダプター(5V 2A)から電源をとっています。
ACアダプターから電源を供給できるように、また、充電器でニッカドバッテリーが充電出来るよう、コネクタにしています。
↑サーボモータの電源は、コネクタにして、バッテリーからも供給出来たり、ACアダプターからも供給出来るようにしています。
ロ ボットは暴走する事が良くあるので、キルスイッチを入れています(バッテリー動作時のみ)。
ACアダプター動作時は、ACアダプターのコンセントを抜く、荒業で対処します。
意外とキルスイッチは重要で、今回のようにスイッチでなく、ジャンパー線を抜くとロボットを殺せるようにした方が良かったです。
↑ロボットを停止させるキルスイッチ
それから、床が痛むので、ロボットの足裏に、ゴムを貼り付けました。
総 評
今回、昔なら夢だった、2足歩行ロボットを作ってみました。
かかった金額は、約3万円くらいです。
実際は、家にあったバッテリーや充電器、Arduino、配線材などを使っているので、2万円くらいでしょうか。
今(2021年現在)なら、市販品で高機能なロボットが売っています。
ただ市販品は、人様が設計したものを作っているだけなので、仕組みが分からず、つまらないです。
今回は、自分で設計しているので、隅から隅まで分かり、作り終えた後は、気持ち良かったです。
今後はセンサーなど、入力回路をつけることにより、さらにロボットらしくなると思います。
本当にすごい時代になったと、痛感した作品でした。
(2021年2月19日(金)作成)