ク レーンゲームを作りました。
ヤフーオークションで、アーム部分だけ落札し、枠や制御回路は自作です。
当初、本物のクレーンゲームのように、上下左右にアームを動かそうと考えていました。
しかし作っていくうちに、ドンドン大きくなってしまい、一部屋必要ということが分かりました。
言われてみれば、ゲームセンターに置いてあるクレーンゲームって、大きいですね。
完成したクレーンゲーム。
概観写真
制 御回路は、Arduinoを使いました。
Arduinoは、青緑色の基板の裏にあります。
青緑色の基板は、Arduinoのシールドです。
Arduino自身は、ハンダ付けできないので、シールドにハンダ付けしています。
ちなみにシールドは、これ(Arduino用シールド) です。
Arduinoが出力する5Vの端子を、フルに利用しているので、電流不足にならないように、Arduinoの電源は、ACアダプター(DC9V)を利用しています。
制御回路のArduino
クレーンゲームの電源は、
Arduino用のACアダプター(DC9V)
アーム上下用の交流モーター電源(AC100V)
アームつかむ用のステッピングモーターバイポーラ式のACアダプター(DC6V)
です。
ア ームを上下に動かしているモーターは、電源AC100Vの交流モーター でした。
AC100Vなので、気を引き締めて設計しないと、感電しますね。
交流モーターの仕様は、次のように、ボディーに書いてありました。
「6W 100V 0.25A 50Hzの時1200rpm 60Hzの時1450rpm」
配線は3本でており、コンデンサがついているので、電源は「単相電源 (普通の家庭にあるAC100Vの電源のことです。三相電源ではありません。)」です。
ご丁寧に、配線図も書かれています。
緑色とピンク色のコードを、直接AC100Vにつなぐと、アームが伸びます。
緑色と青色のコードを、直接AC100Vにつなぐと、アームが縮みます。
アームを上下に動かしている、AC100Vの交流モーター
交 流モーターの制御は、Arduinoを使いますが、AC100Vなので、直接制御できません。
そこで、家にあったリレー(オムロン G6C-1114P-US 5V)を使います。
リレーの100V側は、AC100Vなので、スイッチとヒューズを入れています(黒い箱の中にヒューズが入っています)。
AC100Vのパイロットランプは、回路を作るのに手間がかかるので、つけていません。(危ないですね〜!)
リレーの
Arduino側は、トランジスタのスイッチ回路です。
電源はArduinoの端子から出ている5V電源を使い、トランジスタは定番の2SC1815を2個使っています。
トランジスタについている抵抗は、リレーのコイルの消費電力は、リレーの仕様を見ると、5V 200mWです。
コイルには、200mW÷5V=40mAの電流が必要なようなので、コレクタ電流を40mAで計算して、抵抗を求めました。
交流モーターを動かす回路
ア ームをつかむモーターは、線が4本(黄、ピンク、茶白、黒白)出ている、ステッピンモーターのバイポーラ方式でした。
(勿論GNDの線もあり、白でした。)
ステッピンモーターの仕様が分からないので、電源電圧を色々変えて(DC3V、DC6V、DC9V、DC12Vなど)、実験しました。
その結果、DC3Vではパワーがなく景品がつかめない、DC9Vでは回路が発熱するなどが分かり、電源はDC6Vにしました。
つかむ機構は、黒い楕円のカムが回転し、アームを外側に押し上げる構造です。
そのため、つかむ力は、アーム自身が下がる力だけなので、かなり弱いですね。
クレーンゲームのアーム力が弱いわけが、良く分かりました。
(良心的なゲームセンターは、バネを取り付けられる穴に、バネを取り付け、アームが閉じる力を強くしているようですね。
最近のクレーンゲームは、機構が違うようです。)
ステッピングモーターは見えませんが、この中に入っています。
制御回路は、Arduinoでトランジスタ8個を制御します。
モータードライバーを使っても良かったのですが、バイポーラー方式のモータードライバーが手元になかったことと、当店から販売している「PICステッピングモータ(バイポーラ型)DEN-L-096」 が手元にあり、直ぐに実験できたからです。
L EDは、2色LED(緑色LEDと赤色LEDのアノードコモン)でした。
3本の線(黒線:LEDのアノード、青線:赤色LEDのカソード、緑線:緑色LEDのカソード)からできていました。
2色制御すると、プログラムが複雑になるので、アノード1本をArduinoの端子に、カソード2本をGNDへつなぎ、ただ点灯させるだけにしました。
2色LEDですが、ただ点灯させるだけにしています
セ ンサーは、大きく分けると、「ステッピングモーターのセンサー」と「交流モーターのセンサー」の、2つです。
「ステッピングモーターのセンサー」は1つ、「交流モーターのセンサー」は4つでした。
「ステッピングモーターのセンサー」は、フォトリフレクターです。
フォトリフレクターは3本の線からなり、黒線:プラス(5V)、白線:GND、赤線:オープンコレクタ端子(Arduinoへつなぐ) です。
基板で配線されているので、とても分かり難いです。
フォトリフレクターなので、反射しなければいけませんが、カムにアルミテープが貼ってあり、反射を検出できるようになっていました。
2色LEDの配線と、フォトリフレクターの配線が混ざっているので、とても分かり難いです。
「交流モーターのセンサー」 は、マイクロスイッチ4個です。
機械的なんですね!
マイクロスイッチに当たる部分は、アームの支柱やプーリーなど、機械的仕組みが、上手くできています。
黒いマイクロスイッチが2個見えます。残りの2個は、銀色のカバーに隠れてみえません。
4個あるマイクロスイッチのうち、下から1番目と数えると、
1番目:アームが上にきた時を感知
2番目:重いものを持ったり、アームがひっかかった時に感知(緊急用)
3番目:アームが下についた時を感知
4番目:ワイヤーが切れた時に感知(緊急用)
のようです。
それぞれのマイクロスイッチから2本の線が出ています。
1番目:紫白、白
2番目:青、紫
3番目:白、茶白
4番目:茶、ピンク
通常状態はそれぞれ次の状態でした。
1番目:ON
2番目:OFF
3番目:ON
4番目:OFF
バラバラで使い難いのでプルダウン抵抗をつけ、別に回路を作り、アクティブハイにしました。
アクティブハイにしています。
それから、ゲームスタート用のゲームスイッチも一緒につけています。
ゲームスイッチ
電 源は、Arduinoから取りますが、5V及びGNDは沢山使うので、電源用として用意しました。
Arduinoから5VとGNDを引き出し、ボードにしただけです。
景 品が取れた時に、おめでとう!の声を出すために、単独の回路を作りました。
センサー、録音モジュール、アンプ、スピーカーで、出来ています。
録音モジュール、アンプです。距離センサーとスピーカーは見えません。
電 子回路には関係ないですが、ゲームを面白くするためには、景品を取るためのしかけが重要なことが分かりました。
今回は、橋渡しです。
この仕掛けを、木で作るのが、結構大変でした。
取るためのしかけが重要です。
それから、アームがかなり重いので、ひっくり返らないようにするために、土台の制作も結構大変でした。
鉄アレイや重い木を使い、ひっくりかえらない様にしています。
プ ログラムは、センサーがたくさんあるので、フラグをたくさん付け、並行処理しています。
制御プログラムの教材として、とても良いと思います。
勿論今回つかったアームは実機なので、制御が失敗すると、アームが再現なく伸びたり、ピアノ線が切れて飛んできたりし、アームを壊してしまいます。
ものすごく神経を使いながらプログラムするので、座学では味わえないスリルがあります。
また作りこむと、クレーンゲームのそばでプログラムを作ることになるので、まさに組み込みシステムのプログラマーをやっている気分を味わえます。
つかむ部分のステッピングモーターは、1相励磁だとパワーがないので、2相励磁でプログラムを組んでいます。
ここの所、結構大事です。
2相励磁です!2相励磁!
実 際に動いている動画です。
ゲームスイッチを押すと、最初の1回目は、アームの上下と開き具合を調節するために、初期動作をしています。
再度ゲームスイッチを押すと、ゲームスタートです。(動画はゲームスタートからです。)
何回かアームを動かし、取れると、おめでとうございます!の声が流れます。
VIDEO
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