テスターは、電圧や電流の測定や、導通(電気が流れる状態で、線が切れていない状態のこと)のチェックなどに、利用されます。
良く使う機能、例えば電圧測定など、指が覚えてしまって、すぐに測定する事ができます。
(指が覚えてしまうほど、ぜひ使い込んで下さいね。)
ここに落とし穴が潜んでいることがあります。
ある回路を作ります。
いつものとおり、電圧測定をします。
予想では、800Vぐらいの高電圧がでているはずなのですが。
画面は、「−−−−−」。
もう一回、測定します。
「−−−−−」。
むきになって、もう一回。
「−−−−−」。
テスタが壊れて、あの世へ昇天してしまったのでしょうか?
別のテスターで測定します。
同じく「−−−−−」。
回路が悪いのかと思い、奮闘すること数日...。
テスターの画面は相変わらず、「−−−−−」。
1000Vまで測定できる、新しい測定器を買い込んで測定します。
相変わらず、「−−−−−」。
仕事の納期間近のため、もう悲壮感一杯です。
半べそ状況です。
絶対、回路はあっているのにテスターの画面は、「−−−−−」。
「あー!!!!」
測定機の、測定する条件を忘れていました。
テスターに良くあるのですが、テスターは1000V測定できるように、測定レンジが付いているものがあります。
素直に1000Vまで測定できるのだなー!と思っていると、痛い目に合います。
このレンジを使うには、周波数が低い場合に限るものが多いのです。
値段の安いテスターは、家庭用電源を測定するようなものが多いので、周波数が高く、電圧が高い電圧は、測定できません。
テスターの説明書に書いてあるのですが、結構見逃してしまいます。
実際、周波数が高く、高電圧を計れるテスターは、多くありません。
安価なものでは無いと思います。
テスターが駄目なら、オシロスコープで、高電圧を測定しようとした事があります。
しかし、高電圧すぎて、上いっぱいに波形が行ってしまって、測定できませんでした。
このような場合は、オシロスコープのグローブを、高電圧用のものに変える必要があります。
通常の電子工作では、高電圧を扱う事はあまりありません。
そのため、高電圧を扱う電子工作を行っている場合でも、つい低電圧の測定機器で、同じように測定してしまいます。
高電圧を扱う電子工作では、高電圧用の測定機器が必要なので、高電圧を扱う電子工作を作る場合には、十分注意して下さいね。
電子キットで販売している「空中放電回路(コッククロフト・ウォルトン回路)」などを作る場合、無理に電圧を測定しようとしないで下さいね。
テスターなどの機器が壊れてしまうかもしれませんので。
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