◆測定できないテスター


 

スターは、電圧や電流の測定や、導通(電気が流れる状態で、線が切れていない状態のこと)のチェックなどに、利用されます。

良く使う機能、例えば電圧測定など、指が覚えてしまって、すぐに測定する事ができます。
(指が覚えてしまうほど、ぜひ使い込んで下さいね。)

ここに落とし穴が潜んでいることがあります。

ある回路を作ります。

いつものとおり、電圧測定をします。

予想では、800Vぐらいの高電圧がでているはずなのですが。



画面は、「−−−−−」。

もう一回、測定します。

「−−−−−」。

むきになって、もう一回。

「−−−−−」。

テスタが壊れて、あの世へ昇天してしまったのでしょうか?



別のテスターで測定します。

同じく「−−−−−」。



回路が悪いのかと思い、奮闘すること数日...。

テスターの画面は相変わらず、「−−−−−」。



1000Vまで測定できる、新しい測定器を買い込んで測定します。

相変わらず、「−−−−−」。



仕事の納期間近のため、もう悲壮感一杯です。

半べそ状況です。

絶対、回路はあっているのにテスターの画面は、「−−−−−」。


「あー!!!!」

測定機の、測定する条件を忘れていました。

テスターに良くあるのですが、テスターは1000V測定できるように、測定レンジが付いているものがあります。

素直に1000Vまで測定できるのだなー!と思っていると、痛い目に合います。

このレンジを使うには、周波数が低い場合に限るものが多いのです。

値段の安いテスターは、家庭用電源を測定するようなものが多いので、周波数が高く、電圧が高い電圧は、測定できません。

テスターの説明書に書いてあるのですが、結構見逃してしまいます。

実際、周波数が高く、高電圧を計れるテスターは、多くありません。

安価なものでは無いと思います。



スターが駄目なら、オシロスコープで、高電圧を測定しようとした事があります。

しかし、高電圧すぎて、上いっぱいに波形が行ってしまって、測定できませんでした。

このような場合は、オシロスコープのグローブを、高電圧用のものに変える必要があります。


常の電子工作では、高電圧を扱う事はあまりありません。

そのため、高電圧を扱う電子工作を行っている場合でも、つい低電圧の測定機器で、同じように測定してしまいます。

高電圧を扱う電子工作では、高電圧用の測定機器が必要なので、高電圧を扱う電子工作を作る場合には、十分注意して下さいね。

電子キットで販売している「空中放電回路(コッククロフト・ウォルトン回路)」などを作る場合、無理に電圧を測定しようとしないで下さいね。

テスターなどの機器が壊れてしまうかもしれませんので。


平成23年11月3日  ( 文化の日です。 )


 

 
 

 
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