◆電子回路の、勉強の仕方

 

子回路を学びたいけど、先生がいない!

どうやって、学べば良いのか分からない!

聞く友達もいない!

の、「ない、無い、ナイ」づくしの人が、ほとんどだと思います。
それで、どうすれば学べるか?

簡単です。

から学びます。


かし、ここでまた問題です。
本から学べと言うけれど、どの本が良いのか分からない。

ネットで調べると、それはそれは、お勧め本が山とあります。
お勧め本だけで、本棚が埋まりそうです。

また、人の技量によって、その人に合う本がまちまちと、答えにならない答えがほとんどです。
(まあ、そのとおりなのですが。それでは、初心者は困ってしまいます。)

それで、 本を選ぶ時の基礎知識を、お話しますね。

本を選ぶ時に、マンガや絵が描いてある、取っ付き易い本から選んでも良いのですが、
ここでお勧めなのが、取っ付き安さよりも、分類から選んで、取っ付きやすさは、2番目にしたほうが良いようです。


初心者が使う、電子回路の本を分類で分けると、だいたい次のようになると思います。
(上級者になればなるほど、分類が増えると思いますが、そのような方は、読み飛ばしてください。)

あ! それから、電子回路の本であって、電気回路の本ではないことに注意してくださいね。
電子と電気の違いは、人や業界やその人の経験によってかなり違うのですが、 ここでは、

乾電池などの小さい電圧を扱う回路(弱電)を、「電子」とし、

家庭用の100V以上の電圧を扱う回路(強電)を、「電気」

として、これから話す内容は、「電子の本」です。


あ!あ!さらに、本屋さんによっては、シーケンスなどの制御の本も、電子の本に混じっていますが、
これも電子として、扱わないでおきますね。


まとめると

・電気の本
・電子の本
・制御の本

の大きな分類があって、今回は電子の本についてお話します。

それで、電子の本を、独断と偏見で、初心者向けに分けると、


 @電子回路全般
 A電子工作
 B雑誌
 C辞典
 Dアナログ回路
 Eデジタル回路
 Fトランジスタについて
 Gオペアンプについて
 H半導体について
 Iマイコンについて(PICなど)
 Jテスタなどの機器の使い方の本
 Kその他



となります。


それでは、1つ1つみていきますね。



@電子回路全般
「図解 電子回路の本」
「図解 電子のことが分かる本」
「図解で分かる 電子回路」
などと、どこの本屋さんでも入手できる本です。

マンガやイラストがたっぷり詰まっていて、 取っ付き易い本が多いです。
でも、これらの本は、分かり易いのですが、読破しても回路については、分からないことが多いです。
本が悪いわけでなく、広く、浅く、情報を提供するのが目的で、少しでも電子回路に
興味をもってくれれば良いからだと思われます。

ちょっと、調べたい時には、重宝します。



A電子工作
「恐竜を作ろう! 電子工作」
「LEDで遊ぼう!電子工作」
など、子供さんが喜びそうな工作を紹介している本です。

材料と道具を揃えて、本のとおり組み立てれば、一応それらしき作品ができます。
材料の揃え方や、道具の使い方を学ぶには、大変適していると思います。
また、お子さんに、作る喜びを教えるには、最適な本だと思います。

でも、良いことばかりではなく、回路の仕組みについては、あまり詳しく書かれていないため、
出来上がった作品を見て、回路を理解することは難しいと思います。

意外だと思いますが、実際の配線を見て回路が思い浮かぶようなら、相当な腕の持ち主です。
簡単な回路でも、実際の配線を見て回路が思い浮かんだら、着実にステップアップしている目安になります。

でも、でも、こういった本は見ていて楽しいですね。
アイディアも参考になりますし。

私も、たくさん持っています。



B雑誌
「エレキジャク」
「電子工作マガジン」
「トランジスタ技術」
など、複数の雑誌があります。

「トランジスタ技術」は、初心者ではまず理解不能です。
理解できるようなら、相当な腕の持ち主です。
高度な内容のため、初心者が投げ出してしまうため、お勧めできません。

「エレキジャク」や「電子工作マガジン」 など、初心者向けの雑誌は、見ていて楽しく、創作意欲が沸き、お勧めです。
ただ、電子回路の理解からすると、A電子工作と同じで、回路の仕組みついては、あまり期待できません。

作り物を紹介する雑誌が、廃刊となりつつ現在、ぜひとも頑張って欲しい雑誌です。




C辞典
「エレクトロニクス用語辞典」
など、辞典も少ないですが、いくつかあります。

読んで字のごとく、辞典です。
一冊持っていると、重宝します。
お勧めです。

当たり前ですが、読破しても初心者には回路を理解するようになることはありません。
(まさか、辞典を読破する人はいないと思いますが。
 昔、英語の授業に、辞書を読破する授業はありましたが。
 たいへんだったー。 )





Dアナログ回路
「わかりやすい電子回路」
「電子回路(1)アナログ編」
「アナログ電子回路」
など、多くの本が出版されています。

内容は、アナログ回路について書かれていて、
「トランジスタ、ダイオード、抵抗、コイル」
など、それらの部品や特性、また、回路にした時の動作などについて、理論的にかかれてい ます。

本によっては、 大学、専門学校の教科書として使用されていて、式が書かれていたりします。
どちらかというと、取っ付き難い本です。
パラパラめっくても、理解不能で、睡眠薬として利用できそうな本です。

しかし、しかし、お勧めです。
回路を理解するには、避けて通れない壁です。

なんで、こんな取っ付き難い本を勧めるかと言いますと、基準になる本だからです。

電子回路は、大変奥が深く、どこから学んで良いのか分かりません。
でも、偉大な先輩達が、膨大な内容を、体系的にまとめてくれたのが、この取っ付き難い本です。

木のように、中心の幹を作ってから、枝や葉をつけることが、遠回りのようで、実は一番確実です。
太い幹ができれば、この情報が早い時代、死ぬまで大丈夫な知識が得られます。

経験則でお話すると、さんざん分からなかった回路が、実はこの教科書に書いてあったことが、多々あります。

でも、この取っ付き難い本、本当に取っ付き難い本がありますので、
これこそ、自分に合った取っ付き難い本を選んでください。



それから、この教科書との付き合い方ですが、学業を仕事としている学生でもない限り、
精読しても、睡眠薬となると思います。
それで、辞書のように読むと良いと思います。

例えば、A電子工作 B雑誌 など、工作していて、

「なんでこの部分は、パルス波が発生するのだろう?」

と疑問をもったらしめたもの、教科書のパルス波のところを読むと、疑問が解けたりします。


一冊の教科書では、回路のしくみが載っていないかもしれません。

そんな場合は、また別の睡眠薬の教科書が、本棚に増えるかもしれません。

そのように、利用すると、知らず知らずのうちに、教科書を理解できるようになります。

頑張って下さいね!


補足として、この教科書ですが、理論は大変良いのですが、具体的にメーカ名が記載された部品や値が
載っていないことが多く、実用面では A電子工作 B雑誌 に劣ります。





Eデジタル回路
「電子回路(2)デジタル編」
「デジタル電子回路の基礎」
など、Dアナログ回路とおなじように、教科書です。

こちらもお勧めですが、初心者の方は、まずはDアナログ回路から、理解しましよう。
部品で言うと、デジタルICといわれる、「7400シリーズのIC」 や 「CMOS IC」 などがそれです。
AND とか OR など、聞いたことがあると思いますが、まずはDアナログ回路ができてからです。

できるようになると、自然に理解できるようになります。

参考までに、色や形もが同じなので間違えやすいですが、オペアンプ や マイコン とは違います。

注意してね!




Fトランジスタについて
「ビギナーズ・トランジスタ読本」
「入門エレクトロニクス1 トランジスター」
「ダイオード・トランジスタ回路入門」
など、トランジスタについて書かれた本です。

アナログ回路は全般の内容ですが、トランジスタはトランジスタだけに、専門的に書かれた本です。
やはり、基本はトランジスタですから、一冊は読破して欲しい本です。

回路のしくみは、 トランジスタだけですが、分かるようになります。


ところで、トランジスタの本で、かなりかなり、かなーーり、難しいですが、

「定本 トランジスタ回路の設計 CQ出版」(黒い本)

ですが、名作です。

この本が完全理解できれば、貴方は匠です。




Gオペアンプについて
「オペアンプの基礎マスター」
「はじめて見るオペアンプ」
「オペアンプ回路」
など、オペアンプについて書かれた本です。

オペアンプとは、黒いICで、デジタルICと大変似ていますが、全く違います。
オペアンプの使い方を知っておくと、のちのち大変便利なので、後で良いので
数冊、読んでおくと良いと思います。

お勧めは、

「キットで遊ぼう 電子回路シリーズ8 オペアンプ入門」

です。

キットも一緒に購入すると、良いと思います。




H半導体について
「入門エレクトロニクス5 半導体の仲間たち」
「センサーのしくみ」
など、色々な半導体のついて書かれています。

最近は、半導体といっても、色々なものが登場してきています。
その新顔ぶれを紹介しています。
なくても、構いませんが、一冊くらいあると良いかもしれません。




Iマイコンについて(PICなど)
「PIC活用ガイド」
「PICマイコン プログラミング」
「PICマイコン 電子工作」
など、PICやH8マイコンなどについて書かれています。

マイコンと呼ばれるICで、デジタルICやオペアンプと似ていますが、全く違います。
ICにプログラムを書き込んで、制御するものです。

マイコンに焼きこむための機械や、C言語やアセンブラなどのソフトの知識が必要です。
おいおい、学んでいって欲しい知識です。

アナログ回路でピコピコやっていたことが、プログラムで簡単に出来るようになり、大変便利です。
でも、アナログ回路は基本なので、学んで下さいね。




Jテスタなどの機器の使い方の本
「テスタとデジタルマルチメーターの使い方」
「テスターの使い方が良く分かる本」
など、機器の使い方の本です。

テスタなどの本は無くても構いませんが、オシロスコープの本は、オシロスコープを利用する時に、
一冊手元に本があると、たすかります。
なくても構わないです。




Kその他
上の分類に分けられない本が、多数ありますが、初心者には上の分類で十分だと思います。

専門的になってくると、センサーとインターネットをつなぐなど、かなり専門の本を見ることになると思います。
でも、初めは、そんなハイレベルの本を見ても、理解できないし、
理解してもどう利用して良いか分からないと思います。
そういった本は、プロの方にお任せしましょう。



以上、色々な本をみてきましたが、言えることは

「一冊で、電子回路が分かる本は、無い」

ということです。


初心者の学び方は、

A電子工作 、B雑誌

などをみながら工作し、回路で分からなければ

C辞典 や Dアナログ回路 や Fトランジスタについて

の本を参照して、理解を深める。



その繰り返しだと思います。


とりあえず、脱初心者を目指してくださいね。


以上と関係ある話は、 「電子回路が理解できないのは、なぜだろう?」
にも記載しているので、良かったらみて下さいね。




平成21年7月18日   (1980年の同日 広末涼子さん の誕生日)


 

 
 

 
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