↑音に反応すると学校のチャイムが4つ、遅れながら鳴ります。
が ちゃがちゃを改造してみました。
改造したのは、ボタンを押すと、学校のチャイムが鳴るガチャです。
ただチャイムが鳴るだけでは面白くないので、4つのチャイムが少しづつ遅れて鳴るような回路を作ってみました。
回路のポイントは次の4つです。
@フォトカプラ(リレー)の使い。
A焦電センサー
Bトランジスタの電流増幅
C積分回路(遅延回路、ディレイ回路、RC回路」の理解
実 はこの改造、電子工作塾の前座及び、時間調整用に作ったものです。
10分くらいのミニ授業のはずが、それなりの内容になり、半田まで含めると、りっぱな授業用教材になりました。
ガチャガチャが手に入らなくても同じタイプが売っています。
同じように改造出来るので
息の長い教材になりそうです。
学校のチャイム 400円(税込)
4組が一番良い音みたいです。
ボタンを押すと鳴ります。
がちゃがちゃの中身は
「メロディーIC,スピーカ、コンデンサ、プッシュスイッチ、
電池」とシンプルです。
改 造は簡単です。
@ねじを外し、中身をあけます。
A配線材を通す穴を2個(φ1.5mm)あけます。
Bプッシュスイッチの部分に配線材、赤色とその他の色で半田付けします。極性があるので色が重要です。
Cねじを取り付け、配線材を接触させ、チャイムが鳴ればがちゃがちゃの改造はOKです。
D電子回路を作れば完成です。
プッシュスイッチに線2本を配線します。
(上:赤 下:赤以外)
配線用の穴(φ1.5mm)を開けます。
電子回路です!
制 御回路は単純なので、マイコンは使いません。
がちゃがちゃはプッシュスイッチを押せば鳴る事だけ分かっているので、プッシュスイッチの代わり、フォトカプラを使います。
フォトカプラは機械式のリレーのようなもので、ダイオードとフォトトランジスタで出来ています。
機械式だと音が鳴るので、今回のように音の工作ではリレーの動作音が邪魔になるので、音がしないフォトカプラを用いました。
遅 らせて、音を鳴るようにする回路は、遅延回路を使います。
遅延回路は、ディレイ回路、積分回路、RC回路とも呼ばれています。
抵抗とコンデンサでできており、それぞれの半導体の値を大きくすると、遅れる時間が長くなります。
焦 電センサーは、モジュールそのままです。
4つのフォトカプラを、焦電センサーの出力1つで動かすには電流が足りません。
そこでコレクタ接地で電流増幅しています。
白いのがフォトカプラです。
積分回路が3つあります。
抵 抗の部品定数は、1秒遅れて鳴るように求めました。
その際、コンデンサの容量を470μFと手持ちの中で大きいのを選んでいます。
これは、今回は秒の時間をかせぐので、コンデンサの容量を大きくしないといけないと思ったからです。
よってコンデンサの容量は470μFと最初に決め、抵抗値を計算式で求めました。
計算すると1秒の遅れで、≒7.2kΩなので、きりの良い10kΩ抵抗を選びました。
その後の遅延は、10kΩの2倍、3倍と、実験して決めました。
あまり抵抗値が大きいと、フォトカプラの中のLEDが光らなくなります。
最後は実験で、遅延時間も良く、回路もちゃんと動作する抵抗値を決めました。
積 分回路は、放電と充電では式が違います。今回は教科書で取り上げる、充電の式を使います。
ちなみに放電の式は、こちらのキット(順序回路DEN−L−085) で説明していますので、興味がある方は買って下さいね!
VIDEO
【注意事項】
@連続使用すると、コンデンサが自然放電しないうちに信号が来てしまうので、遅延時間が短くなります。
コンデンサを完全に放電したい場合は、コンデンサと並列に、プッシュスイッチを取り付け、押すと、コンデンサからマイナスへ、放電出来るように作っておくと良いです。
A最初の段なら、ガチャガチャの代わりに、無安定マルチバイブレーター(実測値:電流10mA)の電源スイッチとしても、動かす事が出来ます。
2段目以降は、フォトカプラの中の電流が少なくなりLEDが強く光りません。
その為、コレクタ電流も多く流れない(10mA未満)ので、無安定マルチバイブレーターのような電源スイッチの代わりとしては、使えません。
2段目以降のフォトカプラは、ハイインピーダンス状態を動かす、スイッチの代わりとして使えます。
(2022年6月11日(土)作成)