■ワイヤレスLEDを使った相互誘導

↑ワイヤレス給電ユニットで、LEDを点灯させています。
2つのコイルを並べ、片方に交流を流すと、もう片方のコイルにも電流が流れます。
この現象を、相互誘導と言います。
スマホのワイヤレス充電、電動歯ブラシの充電、IHの料理器具、電柱にあるトランス、テスラコイルなどに利用されています。
詳しい内容は、学校の教科書に載っています。
でも難しい式がいっぱい出てきて、何がなんだか分かりませんね。
そこで、生徒さんにコイルに慣れてもらうために、ミニ実験をしてみました。
視覚化すると、上の写真のようになります。
相互誘導は交流ですが、ワイヤレス給電ユニットには直流のDC9Vをつなぐと、出力に交流が出ます。
そのような状態で、ワイヤレス給電ユニットの中に、コイルが取り付けられたLEDを置くと、相互誘導により点灯します。
@ワイヤレスLED白色OSWM43-W5W(M-14404)¥250
AワイヤレスLED ピンク OSWM43−K4W (5個入)(M-15270) ¥220
BワイヤレスLED給電ユニット(M-14405)¥400
|
|
|
コイルの中のLEDが点灯します。 |
|
秋月電子で購入したワイヤレス供給ユニット。 |
|
|
|
■無極性LEDとインダクターを使った相互誘導
次は出来合いの商品でなく、個別部品を使ってみます。
秋月電子で購入した、無極性LEDを点灯させてみました。
無極性LEDを利用した訳は、相互誘導は交流のため、ワイヤレス給電ユニットから出力される電流は交流です。
LEDは片方にしか電流が流れないため、交流に対応するために、2つのLEDを逆向きに接続した無極性LEDを使いました。
@無極性3mm白色LED OSWWY23131E (I13663) ¥30
Aインダクター(100μH0.79A)LHL08NB101K (P-04807) ¥30
BワイヤレスLED給電ユニット(M-14405)¥400。

↑通電させた所。

↑電源をOFFにした所。
■TXコイルユニット、RXコイルユニットを使った相互誘導
送信側モジュールでなく、送信ユニットを使用し、発信源に周波数発生器をつなぎました。
受信側は、送信ユニットに対応するため受信ユニットにし、受信ユニットに無極性LEDを取り付けました。
写真はありませんが、ワイヤレスLEDも、相互誘導してみました。
@Txコイルユニット(送信用ワイヤレス給電コイル) WT202080−28F2−G(P-15172) ¥370
ARxコイルユニット(受信用ワイヤレス給電コイル) WR202010−18M8−ID(P-15174) ¥250
B無極性3mm白色LED OSWWY23131E (I13663) ¥30
CワイヤレスLED白色OSWM43-W5W(M-14404)¥250

↑受信ユニットに無極性LEDを取り付け、結合定数kを変えてみました。
【相互インダクタンス】
相互インダクタンスM[H] = k√(L1×L2)
相互インダクタンスMは、電磁誘導の大きさを決める定数で、数字が大きいと、一般的に明るく光ります。
kは結合定数で、0〜1の間を取ります。上の写真のように、離れているとk=0で、密接だとK=1になります。
L1とL2は、コイルの自己インダクタンス[H]です。
【誘導起電力】
相互誘導で発生する誘導起電力Vは、次の式になり、これがLEDにかかります。
誘導起電力V[V] = |−M×ΔI÷Δt |
Mは、相互インダクタンス[H]
ΔI÷Δtは、単位時間(1秒)あたりの1次コイルの電流変化
Mの前の−は逆電圧を意味し、絶対値で逆電圧の大きさだけ取り出しています。
【誘導起電力を計算してみる】

今回、「100kHz 方形波」の周波数発生器につないで点灯させたので、誘導起電力を計算してみました。
密接したとしK=1。
購入した、送信側ユニットは20.9μH、受信側ユニットは11μHです。
1次側の、周波数発生器100kHzにつなぎ光らせ、、周波数発生器から出力される電流を実測すると0.9Aでした。
0.9Aは100kHzの時なので、1秒間ではその100k倍とし、100000をかけました。
(式は、1秒あたり変化した場合の誘導起電力なので、100kHzは1秒あたり100000回変化しています。そこで1秒の間に10000倍のエネルギーがコイルに蓄えられたと解釈し、10000をかけています。)
それぞれを、式に代入します。
誘導起電力V[V] = |−M×ΔI÷Δt | = |−1×(√20.9μH×11μH)×0.9A×100kHz | ≒ 1.364V
になりました。
2次側のLEDを実測すると、電圧はパラパラ表示されますが、約AC1.3Vだったので、計算と同じでした。
2次側の電流は、パラパラしますが、20mA〜30mAと実測でき、LEDを点灯させるには、丁度良い電流値でした。この電流値になるように、どのようにコイルを選定したのかは、不明です。
(2021年7月11日(日)作成)
(2022年8月07日(日)改定1) |