◆ペッパー球の回路

 

除をしていたら、クリスマスツリーが出てきました。

最近はクリスマスツリーもLED電球が一般になってきましたが、出てきたのは、ペッパー球のクリスマスツリーでした。

ニトリで買ったもので、10個の球があり、1個が親球、9個が子球です。

クリスマスツリーは、親球があることにより、点滅します。

親球は熱膨張が違う金属(バイメタル)が入っています。

バイメタルは、熱くなると曲がる性質があるので、この性質を利用し、電気を切ったり(OFF)つなげたり(ON)します。

ちなみに、親球を子球にすると、点滅しないで点灯しっぱなしになります。


↑ クリスマスツリーのライト、ペッパー球(アップの写真は親球です)です。


庭用のAC100Vコンセントに差し込めば、点滅しますが、意外と回路がどうなっているのか分かりません。

ネット調べても、技術的な情報が全くありません。

また昔ならホームセンターにペッパー球の変えも売っていましたが、最近ではペッパー球自体を売っていません。

記録的な意味合いで、ペッパー球について調べてみました。


ッパー球は、ムギ球の仲間のようです。

ムギ球は昔、プラモデルやNゲージなどに組み込んで、電飾(光らせる事)するのに使っていました。

形はムギのように、丸っぽい形をしており、通常は乾電池(DC)をつないで光らせていました。

ムギ球も色々な種類があり、DC3Vで動くものや、DC6Vで動くもの、DC12Vで動くものなど、さまざまです。

ただ、交流(AC)が使えるかどうかは、実験していませんので、わかりません。

極性がないので、多分使えると思いますが。



方、 ペッパー球は、用途はクリスマスツリーに使われ、形はムギ球と違い先がとんがっています。

電気特性は、ムギ球と同じで、DC3Vで動くものや、DC6Vで動くもの、DC12Vで動くものなど、さまざまのようです。

さらに、交流(AC)でも使えますというより、クリスマスツリーなので、交流がメインです。




なみに小学生の頃に使った豆電球(株式会社ミネシマ HP-4)の仕様を、メーカーさんに問い合わせた所、次の回答を頂きました。

「豆球の仕様についてですが、「2.5V×0.3A=0.75W」になります。

製品の正式な仕様は2.5Vなのですが、電池を2本使用するので3Vと表記しておりました。 」

実際に3Vのアルカリ乾電池で試すと、一瞬電流計のメーターが0.4Aくらい大きく触れますが、すぐに電流は0.26A程度で安定しました。

1.5Vのアルカリ乾電池で同じように試すと、一瞬電流計のメーターがちょっと触れますが、すぐに電流0.21A程度で安定しました。

豆電球は、フィラメントが熱くなると電気抵抗をもつようです。

3Vでも壊れないので、メーカーさんが回答された仕様は、通常に使う仕様で、最大定格ではないようです。


う少しペッパー球について、細かい特性が知りたかったので、家にあった、ニトリのクリスマスツリーで実験しました。

回路全体は、球が10個、直列つなぎしている回路でした。

そのため、1個でも球(親球、子球はといません)を抜くと、全部消灯してしまいました。

親球がバイメタルを利用し、点滅しているので、直列つなぎのため、回路全体が点滅するのは、直列つなぎだからでした。

また、親球の変わりに、子球にすると点灯するのも、回路全体が直列つなぎのためでした。


1個抜くと、直列つなぎであることが分かりました。


ッパー球1個について、調べてみます。

コンセントにシールが貼ってあり、「定格電圧100V 定格消費電流0.15A」と記載されています。

電源は、AC100Vなので、1個あたりAC10Vがかかっています。

電流を制限する抵抗器は入っていないので、ペッパー球自身が電気抵抗になって、電流を0.15Aにしているようです。

ウィキペディアの電気抵抗の概要に記載されている通り、金属は半導体と違い、熱くなると電気抵抗が増えます。

一方半導体は、熱くなると電気抵抗が減ります。

ペッパー球は、金属が入って光っているようなので、おそらく発熱すると、電気抵抗が増えるようです。


クリスマスツリーから1個ペッパー球を外し、電池DC3Vに直接つないでみます。

意外にも、かすかに光ります。

以下電池の電圧をつないだ結果です。

電圧
状態
DC3V
かすかに点灯。
DC6V
ちょびっと点灯。
DC9V
点灯。
DC13.5V
クリスマスツリーと同じくらい点灯。


↑DC13.5Vで点灯させているところ。約140mA流れています。


DC13.5Vは、DC9VとDC4.5Vを直列つなぎし、作っています。

AC100Vの時は、一個あたりAC10Vかかっています。

これは実効値が10Vなので、最大値は√2をかけると、14.1Vになります。

AC100Vの時は、14.1Vからー14.1Vまでの交流が実際にはかかっていると思われます。

そのため、DC13.5Vで点灯させた明るさが、クリススツリーと同じだったのは、電圧が14.1Vと13.5Vで、あまり差がなかったからと思われます。

実際はAC100Vの時は14.1Vから−14.1Vになる時に消灯するかもしれませんが、目の残像現状で光って見えると思われることと、速度が速く消灯しないうちにまた点灯しているので、消灯していないのかもしれません。


DC13.5Vで電流を測定すると、電源を入れた際、一瞬テスターが振り切れますが、すぐに140.74mAに落ち着きます。

これは、バイメタルが熱くなるまでは、大きな電流が流れますが、熱くなると142mAになることが分かり、ペッパー球そのものが電気抵抗になり、電流を制限していることが分かります。


クリスマスツリーは、コンセントに差し込めば点灯しますが、球の電圧の仕様により、直列つなぎできる数が決まり、球の性質そのもので、流れる電流値がきまっていることが分かりました。

そのため、他社のペッパー球を差し替えた場合は、電圧や電流が変わってしまうので、注意が必要と思われます。


■まとめ
ニトリのクリスマスツリーのペッパー球 1個
電圧AC10V又はDC10V  電流150mA(AC10V又はDC10Vの時)。
電流制限に抵抗は必要なし(自分で熱くなると電気抵抗をもつため)。



平成29年7月7日 (七夕です。)


 

 
 

 
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