掃除をしていたら、クリスマスツリーが出てきました。
最近はクリスマスツリーもLED電球が一般になってきましたが、出てきたのは、ペッパー球のクリスマスツリーでした。
ニトリで買ったもので、10個の球があり、1個が親球、9個が子球です。
クリスマスツリーは、親球があることにより、点滅します。
親球は熱膨張が違う金属(バイメタル)が入っています。
バイメタルは、熱くなると曲がる性質があるので、この性質を利用し、電気を切ったり(OFF)つなげたり(ON)します。
ちなみに、親球を子球にすると、点滅しないで点灯しっぱなしになります。

↑
クリスマスツリーのライト、ペッパー球(アップの写真は親球です)です。
家庭用のAC100Vコンセントに差し込めば、点滅しますが、意外と回路がどうなっているのか分かりません。
ネット調べても、技術的な情報が全くありません。
また昔ならホームセンターにペッパー球の変えも売っていましたが、最近ではペッパー球自体を売っていません。
記録的な意味合いで、ペッパー球について調べてみました。
ペッパー球は、ムギ球の仲間のようです。
ムギ球は昔、プラモデルやNゲージなどに組み込んで、電飾(光らせる事)するのに使っていました。
形はムギのように、丸っぽい形をしており、通常は乾電池(DC)をつないで光らせていました。
ムギ球も色々な種類があり、DC3Vで動くものや、DC6Vで動くもの、DC12Vで動くものなど、さまざまです。
ただ、交流(AC)が使えるかどうかは、実験していませんので、わかりません。
極性がないので、多分使えると思いますが。
一方、
ペッパー球は、用途はクリスマスツリーに使われ、形はムギ球と違い先がとんがっています。
電気特性は、ムギ球と同じで、DC3Vで動くものや、DC6Vで動くもの、DC12Vで動くものなど、さまざまのようです。
さらに、交流(AC)でも使えますというより、クリスマスツリーなので、交流がメインです。
ちなみに小学生の頃に使った豆電球(株式会社ミネシマ HP-4)の仕様を、メーカーさんに問い合わせた所、次の回答を頂きました。
「豆球の仕様についてですが、「2.5V×0.3A=0.75W」になります。
製品の正式な仕様は2.5Vなのですが、電池を2本使用するので3Vと表記しておりました。 」
実際に3Vのアルカリ乾電池で試すと、一瞬電流計のメーターが0.4Aくらい大きく触れますが、すぐに電流は0.26A程度で安定しました。
1.5Vのアルカリ乾電池で同じように試すと、一瞬電流計のメーターがちょっと触れますが、すぐに電流0.21A程度で安定しました。
豆電球は、フィラメントが熱くなると電気抵抗をもつようです。
3Vでも壊れないので、メーカーさんが回答された仕様は、通常に使う仕様で、最大定格ではないようです。
もう少しペッパー球について、細かい特性が知りたかったので、家にあった、ニトリのクリスマスツリーで実験しました。
回路全体は、球が10個、直列つなぎしている回路でした。
そのため、1個でも球(親球、子球はといません)を抜くと、全部消灯してしまいました。
親球がバイメタルを利用し、点滅しているので、直列つなぎのため、回路全体が点滅するのは、直列つなぎだからでした。
また、親球の変わりに、子球にすると点灯するのも、回路全体が直列つなぎのためでした。

1個抜くと、直列つなぎであることが分かりました。
ペッパー球1個について、調べてみます。
コンセントにシールが貼ってあり、「定格電圧100V 定格消費電流0.15A」と記載されています。
電源は、AC100Vなので、1個あたりAC10Vがかかっています。
電流を制限する抵抗器は入っていないので、ペッパー球自身が電気抵抗になって、電流を0.15Aにしているようです。
ウィキペディアの電気抵抗の概要に記載されている通り、金属は半導体と違い、熱くなると電気抵抗が増えます。
一方半導体は、熱くなると電気抵抗が減ります。
ペッパー球は、金属が入って光っているようなので、おそらく発熱すると、電気抵抗が増えるようです。
クリスマスツリーから1個ペッパー球を外し、電池DC3Vに直接つないでみます。
意外にも、かすかに光ります。
以下電池の電圧をつないだ結果です。
電圧 |
状態 |
DC3V |
かすかに点灯。 |
DC6V |
ちょびっと点灯。 |
DC9V |
点灯。 |
DC13.5V |
クリスマスツリーと同じくらい点灯。 |
 
↑DC13.5Vで点灯させているところ。約140mA流れています。
DC13.5Vは、DC9VとDC4.5Vを直列つなぎし、作っています。
AC100Vの時は、一個あたりAC10Vかかっています。
これは実効値が10Vなので、最大値は√2をかけると、14.1Vになります。
AC100Vの時は、14.1Vからー14.1Vまでの交流が実際にはかかっていると思われます。
そのため、DC13.5Vで点灯させた明るさが、クリススツリーと同じだったのは、電圧が14.1Vと13.5Vで、あまり差がなかったからと思われます。
実際はAC100Vの時は14.1Vから−14.1Vになる時に消灯するかもしれませんが、目の残像現状で光って見えると思われることと、速度が速く消灯しないうちにまた点灯しているので、消灯していないのかもしれません。
DC13.5Vで電流を測定すると、電源を入れた際、一瞬テスターが振り切れますが、すぐに140.74mAに落ち着きます。
これは、バイメタルが熱くなるまでは、大きな電流が流れますが、熱くなると142mAになることが分かり、ペッパー球そのものが電気抵抗になり、電流を制限していることが分かります。
クリスマスツリーは、コンセントに差し込めば点灯しますが、球の電圧の仕様により、直列つなぎできる数が決まり、球の性質そのもので、流れる電流値がきまっていることが分かりました。
そのため、他社のペッパー球を差し替えた場合は、電圧や電流が変わってしまうので、注意が必要と思われます。
■まとめ
ニトリのクリスマスツリーのペッパー球 1個
電圧AC10V又はDC10V 電流150mA(AC10V又はDC10Vの時)。
電流制限に抵抗は必要なし(自分で熱くなると電気抵抗をもつため)。
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