お店では、同軸ケーブルは、50Ωや75Ωと表記されています。
この50Ωとか75Ωは、特性インピーダンスと言われるもので、抵抗のようなものです。
世の中では、「インピーダンス」と言う言葉がありますが、業種業態、使う場所、使う人により、色々な意味合いをもちます。
インピーダンスを細かく見てみると、
入力インピーダンス、出力インピーダンス、ハイインピーダンス、特性インピーダンス、ただのインピーダンス(リアクタンス〔コイル〕+リアクタンス〔コンデンサー〕+抵抗)と、色々あります。
色々な意味合いがあるので、なんとか生徒さんに分かってもらおうと、ホームページをうろうろしていたら、おられました!
特性インピーダンスを、分かりやすく測定している方が
( こちらのページです)。
以下、同じように、特性インピーダンスを測定してみました。
【本記事は、著者の方のご了承をうけ、掲載しております。著者の方、どうもありがとうございました。】
準備 するものは、@50Ωの同軸ケーブル ALCRメーター Bリード です。
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50Ωの同軸ケーブル |
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LCRメーター(DE-5000) |
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リード(TL-21) |
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測定する前に、50Ωの同軸ケーブルを、次のように加工しました。
もったいないですが、BNCコネクタは使わないので、青いコードの部分だけ使います。
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BNCコネクタは使いません。 |
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両端をこのように、カッターで加工します。 |
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片側をこのように半田付けします。 |
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もう片側は、半田でショートします。 |
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加工が終わった同軸ケーブル
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最初はコイルの成分を測定しました。
写真のようにつなぎ測定すると、100kHz で 0.117μH でした。


次はコンデンサの成分を測定します。
測定する前に、写真のように、半田でショートした部分をニッパーで切断し、オープン状態にしました。

写真のようにつなぎ測定すると、100kHz で 35.14pF でした。


特性インピーダンスは、次の式で表せるので、カシオの関数電卓で計算すると、
Z = √(L÷C)
Z : 特性インピーダンス 〔Ω〕
L : コイルのリアクタンス 〔Ω〕
C : コンデンサーのリアクタンス 〔Ω〕
Z = √(0.117μH)÷(35.14pF)
= √(0.117×10−6)÷(35.14×10−12) ← 10のマイナス6乗 と 10のマイナス12乗 の意味です。
= 57.70 〔Ω〕
50Ωの同軸ケーブルでしたが、 57.7Ω でした。
以上、簡単に測定できたように見えますが、実は再現性がなくて苦労しています。
上のような手順で行うと、同軸ケーブルの理論値に近い値(50Ω)がでることが分かりました。
特性インピーダンスを測定するには、次の3つがポイントのようです。
@測定周波数は、100kHzのように、高い測定機器で測定する。
写真の測定器(LCR−9063)は、250Hzなので、コイルやコンデンサーの小さなリアクタンスの値が、測定できませんでした。
大雑把には表示されます。
また、測定器から出ている、リードの特性インピーダンスも不明です。
こちらの測定器のほうが、値段は高いのですが・・・・・ 上手く測定できませんでした。
← NGの、LCR−9063
Aコイルのリアクタンスを測定する際、同軸ケーブルの先端をショートさせますが、半田でショートさせる。
半田でショートさせるのが、めんどくさかったので、最初は写真のような、みの虫クリップでショートさせていました。
しかし、みの虫クリップ自身のインピーダンスがあるようで、値が理論値(50Ω)とかけ離れた値になりました。
← NGの、みの虫クリップ
B測定機器のリードによっても、大きく理論値と異なりました。
バナナプラグ付コードは、コード自身の特性インピーダンスが50Ωでないためと思います。
リード(TL-22)は、つかむのではなく、触れて測定するので、しっかり測定面に接触していないことなどの原因と思います。
でも2つとも、はっきりした事は分かりません。
← このようにして売っていたのですが、NGでした。
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リード(バナナプラグ付コード)
NGでした。 |
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リード(TL-22)
NGでした。 |
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