◆組み込みシステムの勘所(かんどころ)

 

子工作の本を見ていると、たまに「組み込みシステム」と出てくることがあります。

「組み込みシステム」とは、機械などに組み込まれる、コンピュータシステムのことで、身の回りの大部分の電化製品に使われています。

例えば、デジカメ、テレビ、車、携帯電話、パソコン、ゲーム機、電話などなど。

「組み込みシステム」が出てくる以前は、電子回路や、機械のしくみ(歯車、リンク機構など)で、直接、機械を動かしていました。

例えば、1980円で売っている安い扇風機があります。

スイッチのONとOFFや風の強弱は電子回路で制御し、首を振るのは機械的な構造を利用しています。(一度扇風機を解体してみると、良く分かります。)

この扇風機にインターネットで遠隔操作させる機能をつけると、コンピュータを搭載する必要があり、このコンピュータを「組み込みシステム」と言います。

電子回路や、機械のしくみで作られている機械は、知識と加工技量があれば、壊れても修理することが出来ます。

しかし、コンピューターを使った「組み込みシステム」がメインになった現在は、部品も米粒のように小さくなり、コンピュータのプログラムは、外からでは見えず、修理が不可能になりました。

壊れたら、基盤の取替えが普通で、かなりもったいないです。

しかし「組み込みシステム」を導入すると、機械の動きをプログラムだけで変更できたり、電子部品がいらなくなったり、大きなメリットが生まれます。




子工作では、従来、「電子回路や、機械のしくみ」を使って工作するのが普通でした。

しかし最近は、マイコンと呼ばれるICが、とても安く手に入り、開発する環境も無料のため、電子工作でもマイコンを搭載することができます。

家電と比べたら見劣りしますが、りっぱな「組み込みシステム」が、一般の人でも組めるようになりました。

( マイコンの知識、プログラミングの知識、開発環境の整備、必要部品や部材の調達など、かなりの知識が必要ですが。)




作教室を開催していると、プラモデルやフィギュアに電子回路を使って、光らせたり、動かしたり、音をならせたりと言うご要望が、あります。

その際、プラモデルやフィギュアなど、入れたい器(うつわ)が先にあるので、その器にあうような回路や、機械のしくみを考えます。

大きなプラモデルなら、回路やモータを配置するすき間があるので、工作もスムーズに出来ます。

でも、大抵は小さなすき間しか空いていないため、電子回路は完成しても、配置できないことが多いです。

特にモータの配置は、モータの他に動力を伝えるギヤ、シャフトなど、かなりの大きさになり、小さなプラモデルでは難しいです。

お仕事で作るなら、特注の部品を使って、小さなモータ、ギヤ、シャフトなどを使い、実現する事も可能でしょうか、一般の方では無理です。

一般の方が手に入れられるモータは、「マブチモータ」や「タミヤのモータ」が一般的で、大きさが既に決まっています。

そのため、プラモデルもこれらのモータが入る大きさでないと、実現は出来ません。

モータ以外にも、光らせる部品LEDは「砲弾形、四角、米粒の大きさ」、音を鳴らすスピーカーは、価格、大きさ、重さ、マイコンは品番そのもののように、案外趣味レベルで使える部品の種類は多くなく、必然的に大きさも決まってしまいます。

以上な理由から、普段から部品を手元においといて、アイディアが沸いた際、現物で確認できる環境作りが大切です。

電子工作での「組み込みシステムの勘所」は、部品を手元においておき、大きな器をつかう!といったところでしょうか。




平成24年10月07日 (紀元前2807年の同月同日 アフリカ大陸と南極大陸との間にて隕石か小惑星が落下。)


 

 
 

 
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