電子工作のキットを見ていると、
「このキットの出力は、オープンコレクタです。」
と記載されている広告を見ます。
オープンコレクタとはなんでしょうか?
オープンコレクタは、ICやセンサーの、出力形式の1つです。
例えば、「なになにの時、IC端子の出力がハイレベルになります。」
と、書いてある場合、普通は端子がハイレベルになったのだから、その端子の先にLEDを付ければ、光るのだなー!と思い、次のように接続すると思います。
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← ハイレベルの端子を利用してLEDを光らせる場合。 |
ほどんどの場合、その解釈で全然問題ありません。
特に、PICマイコンを使って実験している場合は、まさにそのような解釈で開発していきます。
しかし、「なになにの時、IC端子の出力がハイレベルになります。またその出力は、オープンコレクタです。」と、書いてあった場合は、話が全く違ってきます。
ひとこと、オープンコレクタと書いてあるだけで、LEDを光らせる際も、次のように接続が変わります。
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← オープンコレクタの端子を利用して
LEDを光らせる場合、
抵抗、プラスの電源が必要です。 |
端子とLEDだけでなく、プラス電源と抵抗が増えていて、LEDの向きも逆になっています。
端子がオープンコレクタ出力の場合、電圧や電流を信号として出力するのではありません。
出力と書いてありますが、トランジスタのコレクタと理解して下さい。
トランジスタのONとOFFのスイッチ作用で、出力を表現しているので、吸い込みが出来ると考えたほうが、適切です。
次のような図のイメージです。
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← オープンコレクタは、トランジスタのコレクタ部。
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オープンと言う言葉がついているので、「開く」のようなイメージがありますが、どちらかというと「あてもなく、ブラブラしている」の意味合いが強いです。
オープンコレクタは、直接ICにLEDを付けて駆動させても良いのですが、通常は次のようにつなぎます。
このように取り付けることにより、ICの電源とLEDの電源を別にすることが出来ます。
電源を別にすると言うことは、ICを駆動させるのに5Vで、LEDを駆動させるのに3Vにしたり、
ICを駆動させるのに5Vで、別のICを駆動させるのに3Vにしたり、
ICと異なった電圧の負荷を作動させることが出来ます。
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← 通常は、こちらの使い方をします。
この抵抗は、プルアップ抵抗と言われています。
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PICマイコンで、PIC16F84Aと呼ばれる、代表的なPICマイコンがあります。
このマイコンは、雑誌や書籍に、ピン数が少ないので、電子工作のPICマイコンとして、良く利用されています。
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← PIC16F84Aの端子。 |
RA0、RA1,RA2,RA3,RA4、RB0、RB1、RB2、RB3、RB4、RB5、RB6、RB7は、データーのやり取りする端子として、利用されます。
この端子にLEDを取り付ければ、点滅させることができます。
しかし、RA4端子だけは、普通につないでは、LEDを点滅させることが出来ません。
他の端子は、電圧や電流を信号として出力するのですが、
RA4端子だけは、オープンコレクタになっているからです。
PIC16F84Aを使って、開発している時、つい忘れてしまって、どうしても上手くいかないことがあります。
PIC16F84AのRA4は、オープン端子と覚えておいて下さいね。
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