◆モジュールは、簡単!便利!


 

子工作の広告を見ていると、ディスプレイモジュール、シリアル変換モジュール、加速度センサーモジュール、MP3プレーヤーモジュールなど、○○モジュール と記載されている広告を見ます。

広告写真をみると、下のような電子部品を集めた写真が載っています。

← MP3プレーヤーモジュール

後は、電源、スピーカー、SDカードを入れるだけで、
MP3が再生できます。

このモジュールとは、 ある機能をあらかじめ1つにして、販売している部品のことです。

例えば、「加速度センサー」と「加速度センサーモジュール」の、2つの部品が売っていたとします。

「加速度センサー」は、まさにセンサー部分だけの部品で、「加速度センサー」以外にも、「電源部分」、「加速度センサーが受信した信号を増幅させる、アンプ部分」、「電源が入っていることを確認できるLED」など、「加速度センサー」以外の部品が揃って、初めて「加速度センサー」として使えるようになります。

一方「加速度センサーモジュール」は、「加速度センサー」「電源部分」「加速度センサーが受信した信号を増幅させる、アンプ部分」、「電源が入っていることを確認できるLED」なども、すべて1つの基板に配置されているので、電源さえ入れれば「加速度センサー」として動きます。

このモジュールを使えば、簡単に、早く、電子回路の開発が行なえるので、仕事で電子回路を開発する際、とても役にたってくれます。

また、苦手な電子回路の場合、この苦手な部分はモジュールで処理して納品することもあります。

電子工作の勉強の仕方でも、お話したとおり、電子回路は「ある機能の回路を、寄せ集めて一つにしたもの」なので、モジュールとは、ある機能の回路の1つを売っている、とも言えます。

良いところばかりのモジュールですが、マイナス面もあります。

@ モジュール回路を理解しないで使うと、誤動作した際、対応が出来なくなります。

A モジュールは、部品単品で購入するよりも、価格が高い。

B モジュールの部品が壊れた場合、壊れた部品ではなく、モジュール基板全部を取り替える必要があります。


フト面でも、モジュールの波は進んでいます。

PICマイコンなどのプログラムをした事がある人は、分かると思いますが、時間待ちのプログラムなら、delayを使います。

このdelayはモジュール化されていて、私たちはプログラムを作る必要はなく、ただdelayを読み出せば、PICマイコンが勝手に時間を待ってくれるものです。

このように簡単で便利なモジュールは、ソフト面でも活躍しています。

最近は、個人レベルで、ハードのモジュール、ソフトのモジュールを、インターネットで簡単に手に入れる事ができます。

人が来たら知らせるシステムを開発したい場合、

  ・ 赤外線モジュールは、なになに(ハード面)

  ・ 制御プログラムのモジュールは、なになに(ソフト面)

のように、モジュールがすぐに出るようになると、また電子工作の幅が、ぐんと広がります。

電子回路の理解も重要ですが、モジュールの使い方を学ぶことも、最近の電子工作では重要となってきています。


ジュールの概念は、電子工作だけでなく、パソコン用品、自動車、機械、ソフト開発でも使われています。

大昔のパソコンは、規格がまだ統一されていなかったため、NECのパソコンで使っ部品を、IBMのパソコンに差し込んで使おうとしても、使えませんでした。

しかし最近のパソコンは、自作パソコンが作れるように、主要な部品の規格が統一されているため、部品を買ってきて、差し込んで作れるくらい、モジュール化が進んでいます。

経済的なお話を言うと、主要なモジュールを作る場合、「開発設計」はとても高度な技術が必要のため、利益が高いです。

一端モジュールを開発してしまえば、モジュールの「組立・製造」は、賃金の安い企業(国)が有利になり、利益は低くなります。

さらに、組立後の「メンテナンス」は需要があるため、利益があげやすくなります。

このように、前と後ろが利益が高く、中間が利益が低いため、スマイルカーブと呼ばれています。

今までの日本は、モジュール化があまり進んでいませんでしたが、最近はモジュール化進み、中間部分で利益を上げることが難しくなってきました。

そのため、日本では、外国勢のモジュール化の波に対応するために、小ロット、新モジュール開発、部品点数を増やす、部品を重くするなど、対策がとられています。

部品を重くすることが、何で効果的かと言うと、物理的に重くすることで、組立の際、クレーンなどを必要にさせたりして、設備コストをあげさせて、新規参入を防いだりします。

経営的に言うと、参入障壁を高くしているのです。

モジュール化の経済競争の行く末はともかく、

今後は、モジュールを開発したり、使い分けたりすることが出来る技術者が、幅を利かせる時代になるかも知れませんね。

平成24年5月14日  ( 2006年同月同日 交通博物館が閉館しました。 )


 

 
 

 
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