◆入力インピーダンスと出力インピーダンス

 

子工作をやっていると、雑誌などに、

「入力インピーダンス とか、 出力インピーダンス」 と言った、言葉を目にする事があります。

さらにオーディオの話の中に、

「出力インピーダンスは低いほど、入力インピーダンスは高いほど良い」 

「ロー出し、ハイ受け」

などと、書かれています。

身近なものでは、昔のテレビについていた、同軸ケーブルのアンテナコードに75Ω特性インピーダンスと、書いてあります。


でも、よく読むと、特性インピーダンスと、特性がついています。

ここでは、同軸ケーブルなどの特性インピーダンスでなく、ただのインピーダンスのお話しです。


ンピーダンスって、何でしょうか?

インピーダンスは、「電気回路が持っている、直流、交流に対する電気抵抗の和」のことです。

抵抗なので、単位はオーム(Ω)です。

式で書くと、次のようになります。

インピーダンス【Ω】 = 直流に対する抵抗分【Ω】 + 交流に対する抵抗分【Ω】

さらに分かり易く書くと、

インピーダンス【Ω】 = 抵抗【Ω】 + コイルの抵抗(誘導性リアクタンスと言う)【Ω】 + コンデンサの抵抗(容量性リアクタンスと言う)【Ω】

のことです。


「電子工作では乾電池を使うから、交流なんて関係ないもん!」と思いたくなります。

しかし、これがそうでもないんですね。

交流と言うと、ご家庭のコンセントのように、0Vを中心に、いったりきたりするサイン波のように思われます。



  図 1  交流


しかしそれだけはないのです。

特に、音楽では。

ご存知、音は波です。

しかも、0Vを中心にいったりきたりしないで、0Vの上側で、いったりきたりしています。

脈流といわれています。


  図 2  脈流

脈流は、直流の成分と、交流の成分があわさったものです。

音楽は脈流なので、これをコイルやコンデンサに入れると、交流の時の性質をしめします。

まさに、インピーダンスです。

なので、電子工作でも、交流は関係があります!


置きが、とてもながくなりましたが、今までの基礎知識を元に、入力インピーダンスについて、見て見ます。

インピーダンスと言うことは、流れる電流が直流だけで無いことが前提です。

初歩の電子工作では、インピーダンスと言う言葉がでたら、0V以上で、波うっている、脈流と思って下さい。


普通、マイクから取り込んだ波うっている電流は、音が小さいので、アンプなどに取り込んで大きくしてから、スピーカーに伝えます。

マイクからの音の電流(脈流)を、

アンプ(IC、スピーカー、オペアンプ、トランジスタ、LEDなどの半導体)に、

信号を伝達しますが、アンプ自身も抵抗をもっています。

この伝達される側の抵抗のことを、入力インピーダンスと言います。

平たく言えば、信号をキャッチするアンプが、初めからもっている抵抗のことです。


入力インピーダンス(抵抗)が小さいと、電流が沢山流れます。

沢山電流が流れると言う事は、作動するのにエネルギーが大きい (= 電圧降下が大きい) ということです。

もしも微弱な信号(電圧の振幅が小さい)を読み取る場合、作動するエネルギーが大きかったら、アンプでエネルギーをほとんどつかってしまい(=電圧降下をおこす)、他の回路に十分なエネルギー(電圧)をまわすことができません。

ただでさえ電圧の振幅が小さい微弱な信号は、さらに振幅が小さくなり、読み取ることができなくなってしまいます。

微弱な信号源に、大きなスピーカーをつけても音をならすことができないのは、大きなスピーカーがエネルギーを使ってしまう (= 電圧降下が起きている) からです。



一方、入力インピーダンス(抵抗)が大きいと、電流があまり流れません。

電流があまり流れないと言う事は、半導体が作動するのにエネルギーが少なくてすむ (= 電圧降下が小さい) ということです。

作動エネルギーが少ないと、他の回路へエネルギー(電圧)を、振り分けることが出来きます。


以上の理由により、 入力インピーダンスは高いほど良い ということになります。


力インピーダンスとはなんでしょうか?

マイクのように、信号を発信する側が、もともともっている内部抵抗です。

では、出力インピーダンスは、低いほど良い理由はなぜでしょうか?

マイクの出力インピーダンス(内部抵抗)が大きいと、自分自身でエネルギー(電圧)を使ってしまい、小さな音しか出せません。

すると、アンプなどの入力先へ、十分な電圧を供給することができません。

もしも出力インピーダンス(内部抵抗)が小さかったら、電圧降下が起きにくくなるので、アンプへエネルギー(電圧)を供給できます。

出力インピーダンスは小さい程良いことになります。


考までに、インピーダンス整合という言葉があります。

これは、出力側と入力側の、電圧と電流を同じにすることです。

例えば、

「マイクの電圧と電流(出力側)」 = 「アンプの電圧と電流(入力側)」

が同じなら、最高の状態で、音を伝達できます。


プロのスタジオ(オーディオ業務用機器)では、600オームの入出力が守られているそうです。
(600オームなのは、電話回線の名残だそうです。 )






平成23年5月5日  ( こどもの日です。 )


 

 
 

 
Contents are copyright (c) 2009 MASAKATSU BABA All rights reserved.
This site is best viewed with Internet Exploerer 4.0, Netscape Navigator 4.0 or later
ホームページに関するご意見・ご要望はこちらまで .
 


  1. 無料アクセス解析