電気の流れる速度は、光のように早いと言います。
中学校の教科書で見ると、「電流は、自由電子(マイナス)の逆の流れのことを言います」と、記載されていたと記憶しています。
この教えだけで電子工作をしていると、矛盾する場面に出くわします。
電流 = 自由電子の流れ
と、覚えておくと、電子工作で使っている電池から出た、自由電子の粒が、回路内をぐるぐる回っていると、思うのが普通と思います。
実際そのようなことが起こっているようですが、でも、考えてみてください。
すごく遠い発電所から製造された電子の粒が、スイッチを入れた瞬間、自宅のコンセントまで伝わってくるのは、電線の抵抗もあり、考え難いです。
それで、色々調べて見ると、教科書の教えの他に、もう1つ概念がありました。
その概念は、電気の伝わり方という概念です。
電流は、電子のつぶが動いて伝わりますが、この粒が、端から端へ進むわけではなく、ところてんのように、電子がびっしりつまった状態で、片側から押し込むと、もう片側から押されて飛び出し、この伝わり方が光の速度と同じだそうです。
伝わり方は光速で、とても早いですが、電子の動く速度は、カタツムリのようにとても遅いそうです。
発電所で送られてくる電気は、発電所の粒が家庭まで飛んでくるのではなく、発電所から押されて、押し出されたコンセント直前の粒が飛び出し、電気として流れるということです。
ここからは、電子工作のお話。
上のようなことを知らなかった時代の書生。
家庭用の交流100V電源を使って電子工作をしていた時のことです。
頭の中で、
「交流は、正の時は発電所から電子の粒が飛んできて、負の時は家庭から電子の粒が飛び出すのだから、電線の中を行ったりきたりして、結局、発電所から電子の粒が届かず、電池のように、ぐるぐる回る回路が形成されない?」
と、混乱していました。
ところてんのように、押し出されことを知っていれば、このように頭を悩ますことも無かったです。
でも、混乱しているなりに、ガリガリ電子回路を作っていましたが。
電子工作をする場合、過去の先輩方の回路を利用して、発展することが多いと思います。
その回路を理解しようと、回路とにらめっこしますが、分かりません。
そのような時は、いくら、にらめっこしても分からない事が多いので、別の知識からアプローチすると理解できることがあります。
特に、「無線」や「音響」を扱う電子工作の場合、電子工作の知識とは、全く異質の知識が必要なことも多いです。
|