◆キット化できない商品達

 

社のようなキット開発をしている会社では、商品開発は成功したけど、製品としては売れない商品も数多くあります。

その原因は、

「材料調達ができない。」

「上手く動作したりしなかったりして、キットの再現性がない。」

「キットとして販売するには、難しすぎる。」

「キットとして魅力がない。」

「製造単価が高すぎる。」


など、思いつくだけでも様々です。


材料の調達や価格は、意識しながら開発しますが、キットの再現性は、実際作って見ないと分かりません。

特に電波を取り扱うキット、例えば、「ゲルマニウムラジオ」や「無線機」などのキットは、再現性が低く、開発はできているのに商品化までできないものが、お蔵入りしています。




線の盗聴器キットは、キット化の要望があるのですが、再現性が低いためお蔵入りしています。

無線の盗聴器の場合、無線を取り扱うため、アンテナ部分の制作が必要になってきます。

このアンテナが曲者で、アンテナ部分だけで電波をやり取りしてくれれば問題ありません。

しかし実際に制作して見ると、アンテナ部分だけでなく、回路を組むリード線自身がアンテナの役割として働きます。

そのため、弊社のようなユニバーサル基板を使用している場合、制作者によって部品同士をつなげるリード線の長さが違うため、リード線自身がアンテナとして作用する人と、作用しない人に分かれます。

その結果、無線の周波数帯の違いや感度の違いがでてきてしまい、組立説明書にも明確に記載できず、結局商品化できないことになります。

ここらへんが、アナログ回路の難しさでもあり、また、面白さでもあるのですが。

最近では、デジタル回路が多くなってきたため、人によって再現性も少なく便利になりましたが、逆に手作り感が無く、面白みにかけるような気がします。



きな会社では、無線の盗聴器キットを販売しているところもあります。

これは、ユニバーサル基板でなく、プリント基板を用いているためです。

プリント基板は、電子部品を差し込み、ハンダ付けすれば完成するので 、リード線が無く、無線の盗聴器として再現性が高いため、キット化できます。

弊社でもプリント基板を使用すればキット化できるのですが、製造コスト面でキット化できません。

また、部品を差し込むだけで完成しては、回路図を読む練習にもならず、勉強になりません。



書籍や雑誌、インターネットで回路図が記載されているため、ご自身で部品を調達し組み立てても、上手く作動しない場合があります。

配線間違い以外にも、今回お話ししたように、

「配線は合っていても、配線自身がアンテナとして作用したり、配線が意図しない回路を作ってしまったりする場合もある。」

と言う事を、頭の片隅に入れておくと、今後の電子工作に役立つと思います。




平成22年7月2日   ( 一年の折り返しの日 : この日の正午が1年の折り返し点にあたるそうです。 )


 

 
 

 
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